脱毛する時にまず心配してしまうのが「肌へのダメージ」ではないでしょうか。
普段からスキンケアに気を遣っている女性なら、どれ位のリスクがあるのか気になってしまいます。脱毛器は年々進化して肌へのダメージはかなり軽減されてきているものの、ある程度のリスクは避けられません。
特に皮膚が弱くて薬で治療している人たちは、脱毛が難しいと言われています。
それは多くの皮膚の薬に含まれている「ステロイド」が理由です。
ステロイドがどのように脱毛と関わっているのかを見ていきましょう。
ステロイドとは？
私たちの生活の中でよく耳にするステロイドという薬。
「聞いたことはあるけれど、具体的にどんなモノであるかは知らない…」
という人は、意外と多いのではないでしょうか。
ステロイドとは、主に皮膚炎・関節リウマチ・気管支ぜんそくなどで処方されている薬です。
実はこのステロイド剤は人間の体内で作られているホルモンを基に作られています。
体内で生成されるホルモンには、男性ホルモン・女性ホルモン・副腎皮質ホルモンなどがあります。
これらは脳の情報をスムーズに全身に伝える物質として大事な役割を果たしています。
コルチゾール
これらのホルモンの中で、ステロイドとして一般的に使われているのが副腎皮質ホルモンです。
副腎とは腎臓の上にある内臓を指します。
この副腎の表皮で作られているホルモンが副腎皮質ホルモンなのです。
では、何故この副腎皮質ホルモンがステロイドに使用されているのでしょうか。
その理由は、副腎皮質ホルモンに含まれている「コルチゾール」にあるのです。
コルチゾールは炎症を抑える働きを持っています。
その働きが分かりやすい一例として、筋肉痛が挙げられます。
筋肉痛とは、筋トレや有酸素運動をすると筋肉と皮膚の間で炎症が起きることをいいます。
この炎症を抑える時に体内で分泌されるのがコルチゾールなのです。
コルチゾールは私たちの体をケアする重要な要素なんですね。
ステロイドはこれらの仕組みを利用して、皮膚のかゆみや炎症を抑えます。
こうして見ると、私たちがイメージするよりステロイドは身近な存在のように感じますね。
ステロイドの副作用
このステロイドがよく処方される代表的な病気があります。
それが「アトピー性皮膚炎」です。
アトピーとは体の免疫が過剰反応して起きてしまう炎症ですが、ステロイドはこの免疫反応までも抑制する働きを持っています。
この為、ステロイドは強い痒みなどを一時的に鎮めることが出来ますが、体の免疫機能も同時に下げてしまうのです。
免疫機能が下がれば、感染症や様々な病気・炎症を発生しやすくなってしまいます。
これが最も知られているステロイドの副作用です。
脱毛とステロイドの副作用
この副作用があるので、脱毛を行う際はかなり神経を使う必要があると言われています。
脱毛には主に光脱毛・医療レーザー脱毛・電気脱毛がありますが、どれも肌へのダメージが掛かります。
特に電気脱毛は針を毛穴に差し込んで電流を流す為、ステロイドを使用していない健康的な方であっても皮膚に炎症を起こす恐れがある脱毛方法です。
このような皮膚への負担を理由に、脱毛はステロイドを服用して免疫機能が落ちてしまっている人には勧められていないのが現状です。
感染症だけでなく、火傷のリスクも上がってしまうことが危惧されるからです。
アトピー肌への脱毛
では、アトピー肌やステロイドを使用している人は脱毛を諦めるしかないのでしょうか？
いいえ！可能性は決してゼロではありません。
ただいくつかの条件をクリアすることが必要になってきます。
「ステロイドを塗って直射日光を浴びると色素沈着する」という噂話を耳にしたことがあるかもしれません。
実はステロイドは基本的に太陽の紫外線を浴びても問題ないとされています。
この噂話は、ステロイドを使用して治った痕である色素沈着を、直射日光を浴びたことで起こったと誤解したことから生まれた都市伝説なのです。
ステロイドは基本的に太陽の紫外線で影響が出ることは殆どありません。
なので、紫外線を発しない光線を使用する脱毛器はより色素沈着やシミが出るリスクが少ないことが分かります。
実際に多くの脱毛サロンでは、ステロイド服用中の方の施術は医師の許可と肌の状態をチェックしてから行われます。
脱毛サロンでの脱毛は医師ではなく技術者によって施術が行われます。
肌のトラブルが発生すると医療行為が出来ないので、脱毛サロンでは事前に医師の許可が必要なのです。
ちなみにディオーネではアトピー肌でも施術できる肌に優しい脱毛器を使用しています。
最新の脱毛器はアトピーで悩む人の大きな味方となってくれそうです。
医療クリニックは医師の許可があれば脱毛してもらうことが可能のようです。
また本人がステロイド服用中に脱毛を行うリスクを承知することも条件とされています。
ほとんどのクリニックでは、医師がカウンセリングで痒みの程度や赤みなどの状態を見て脱毛プランを考えてくれます。
女性でアトピー性皮膚炎や手湿疹で悩んでいる人は、医療クリニックを利用するとより安心ですね。
このようにアトピー肌の女性でも医師との相談と的確な施術を行うと、キレイに脱毛することが出来るのです。
まずは脱毛サロンや医療クリニックに相談してみましょう。
健やかな肌を作る
脱毛サロンやクリニックでは、基本的にステロイドの効用が消えてから脱毛を行うことを勧めています。
これはステロイドは服用すると、2週間から1ヶ月以上が経たないと肌への負担が大きくなることが考慮されるからです。
ここで知っておきたいことは、ステロイドによって病気は治療できないという点です。
あくまでも炎症や免疫反応をセーブする役割のみ担っています。
その為、アトピーの治療や脱毛をする為にも健康的な肌を作ることを目指せたら良いですよね。
回復力のある健やかな肌を作るには、生活習慣の改善や栄養面、運動によって体質を徐々に変えていくことがオススメです。
アトピー性皮膚炎をはじめとする肌のトラブルは、皮膚の乾燥とバリア機能に異常をきたしていることが原因とされています。
慢性的な症状もありますが、良質たんぱく質の積極的な摂取と糖質制限の食事法で改善できることがあります。
日本人は海外の人たちに比べてたんぱく質の摂取量が少ないと言われています。
たんぱく質は健康的な肌、体を作るために欠かせない栄養素です。
肉、魚、卵、大豆、鶏肉などをしっかり摂って、肌の栄養をしっかり補給してあげましょう。
加えて皮膚のトラブルには、漢方薬を使って自然治癒力を高めていく方法もあります。
これらの体質改善を図っていけば、脱毛時における肌のトラブルも避けることができるようになるでしょう。