私たちの日常生活の中で、常に外敵の脅威から守ってくれている肌。
肌は細菌やウイルスなどの体内侵入を防ぐために色んな機能を持っています。
そのバリアを突破する一つのキッカケが、肌に傷を負った時です。
肌に傷が入ると、ウイルス類は直接に体内へ入ることが容易になります。
肌に負った傷は自然に修復されますが、どうしても跡が残ってしまうことがありますよね。
その傷跡や怪我している部分に脱毛を行うことは出来るのでしょうか?
傷跡への脱毛
結論から述べると、基本的に傷跡や怪我を負っている部分への脱毛はNGとされています。
これは大半の脱毛サロンや医療クリニックで定められているようです。
しかし、その判断は傷跡の度合いによって変わってきます。
傷跡の炎症が治っていて、色素沈着などを起こしていない場合は、脱毛を行ってくれる可能性が高くなります。
またサロンやクリニックでは、傷跡にシールを貼って光線が届かないように対策してくれることもあります。
これは怪我をしている場合も同様です。
女性に特に多いと言われている「青タン」。
正式名称は”青色母斑”と言われおり、青みが強いホクロやあざを指します。
青タンの原因は、その多くが体をどこかに強くぶつけた時に発生します。
しかし、女性はホルモンバランスの乱れや冷え性によっても青タンが出来やすかったりするようです。
体をぶつけた記憶がないのに、気づいたら青タンになっていることってありませんか?
それは体の不調のサインかもしれないのです。
加えて、ビタミンPが不足して血管が脆くなりやすい状態になっていることも原因の一つとして挙げられます。
ビタミンPは正式には”ビタミン”ではなく、ビタミン様物質とされています。
常にビタミンCのそばにあって、フラボノイド(色素)の総称として知られているようです。
これを摂取していくと毛細血管が強くなったり、LDLコレステロールの低下や抗アレルギー作用などの効用が期待できます。
主にみかんやグレープフルーツ、レモンなどの柑橘類、そば、赤ワイン、たまねぎ、緑茶、りんごなどに多く含まれています。
この青タンが出来た部分には、基本的に脱毛は施せません。
何故なら、青タンは内出血を起こしているだけでなく、その部分の細胞も破壊されている状態だからです。
そこに脱毛器の光線によって刺激を入れると、新たに肌トラブルを起こす引き金となりかねません。
状態によっては、傷跡と同じくシールを貼る対策を行ってくれるはずです。
まずはサロンのスタッフやクリニックの医師に相談してみましょう。
虫さされと蕁麻疹
では、傷跡や青タン以外の皮膚炎症なら脱毛できるのでしょうか?
私たちの日常生活でありふれた皮膚炎症と言えば「虫さされ」ですね。
虫刺されとは、それぞれの虫の唾液に含まれる成分や毒が私たちの皮膚に注入されて、これらの物質によってアレルギー反応を起こしてしまうことを言います。
このアレルギー反応によって赤い発疹やかゆみ、痛みなどが発生します。
虫刺されの場合も、その炎症の度合いによって脱毛できるかどうかの判断が分かれます。
蚊などによる軽い炎症であれば、その部分を避けて光線照射したり、シールを貼ったりすることで脱毛できることがあります。
しかし、ハチや毛虫に刺された場合は、ちゃんと腫れや炎症が治ってから脱毛した方が良いでしょう。
医師にも脱毛ができる状態に回復しているかを診てもらえたらベストですね。
虫さされ以外でもう一つ、私たちがよく知る皮膚炎症があります。
それが「蕁麻疹(じんましん)」です。
蕁麻疹とは、皮膚の一部に「紅斑(こうはん)」という赤みを伴い、「膨疹(ぼうしん)」という皮膚の盛り上がりができる病気です。
激しいかゆみを伴うことが多く、かなりのストレスを抱えることもあります。
実は、蕁麻疹は「アレルギー性」と「非アレルギー性」に分けられます。
アレルギー性の蕁麻疹は、主に食べ物、食品添加物、動植物が原因と言われています。
これらのものに含まれているアレルギー物質が体内に入り、異物として認識されることで細胞から化学物質が分泌されます。
その化学物質がアレルギー反応を引き起こすとされています。
非アレルギー性の蕁麻疹は、皮膚への強い摩擦や刺激、日光などが原因で起こるようです。
また人によっては、運動や発汗によって蕁麻疹を発症することもあります。
1ヶ月以内に症状が治まるのを「急性じんましん」、1ヶ月以上も症状が続いてしまうのを「慢性じんましん」と呼びます。
脱毛前に蕁麻疹が出てしまったら、脱毛は控えることをお勧めします。
施術が可能な場合も考えられますが、蕁麻疹は体へのストレスが大きい病気なので、しっかり体調を整えてから脱毛する方が良いでしょう。
最低1ヶ月は脱毛の予約を延期することが望ましいと思われます。
また虫さされ、蕁麻疹どちらも「抗ヒスタミン剤」や「ステロイド軟膏」が処方されることがあります。
これを使用していると、脱毛器の光線に反応して肌トラブルを起こすことが考えられます。
医師とサロンのスタッフに必ず使用している薬を伝えておきましょう。