多くの女性が抱えている悩みである「体臭」。
体臭は生活習慣や体質が大きく関わっているので、すぐに改善することができないケースもあります。
そんな体臭改善を図ることができる方法の一つとして、脱毛が注目されています。
近年、女性が脱毛を行う理由には、この体臭を改善したいというものが増えてきているようです。特にワキガやビキニラインの脱毛は、気になる体臭を軽減する効果も期待できるとも言われています。
では、脱毛による体臭改善の効果は本当なのかを詳しく見ていきましょう。
臭う環境を変える
結論から言えば、理論的に「脱毛を行うと体臭は軽減する」と言えます。
しかし、これはもう少し具体的に表現すると、「体臭を作る環境を改善する」ということかもしれません。
脱毛によって、体臭の原因の一つを取り除くことでニオイを軽減することができるのです。
体臭には、いくつかの原因があるとされています。
それは汗・皮脂・垢に加えて雑菌の繁殖です。
皮膚には、皮脂を分泌する「皮脂線」と汗を分泌する「汗腺」が存在しています。
皮脂は肌の潤いを保つこと、汗には体温を調節する役割があります。
そして、この汗腺は熱に反応しやすい性質を持っています。
熱を感知すると、汗腺は汗を分泌して蒸発することで体温を下げようとします。
緊張やストレスを感じたり、辛い物を食べると体温が上がって汗が出ますよね。
上がった体温を下げるには、汗は欠かせない存在なのです。
また皮膚には数百種類以上の皮膚常在菌がいると言われています。
この常在菌は、分泌した皮脂と水分がバランスよく混ざり合って出来た皮脂膜にいます。
実は、分泌されたばかりの皮脂や汗は無臭に近いです。
しかし、時間が経って皮膚常在菌が作用することで、これらに含まれる脂質・タンパク質・アミノ酸が酸化、分解されて不快なニオイを持つガスを発生させるのです。
またこのガスは揮発性である為、ニオイが拡散しやすい性質があります。
これが俗にいう「体臭」の正体です。
そして、揮発性のある体臭が、更に周囲へと拡散する役割を持つものがあります。
それが「体毛」です。
体毛は、異性を惹きつけるために必要なフェロモンを周囲の人たちに広げてくれます。
しかし、それと同時に体臭をも拡散してしまうのです。
また体毛が生えていると、ムレやすくなります。
ムレると汗を分泌しやすくなるので、ニオイが発生する環境の形成を促してしまいます。
その為、不快なニオイまでも広げる体毛を除去することで、体臭が軽減するとされているのです。
ただニオイの原因の根本的な解決をする効果までは見込めないようです。
脱毛による体臭改善は、あくまでも少し”マシになる”という程度であることを覚えておきましょう。
脱毛で逆に体臭がキツくなる！？
上記で触れたように、脱毛は体臭改善の手助けとなってくれます。
しかし、一方で、脱毛によって体のニオイがひどくなるとも言われています。
これは一体どういうことなのでしょうか？
この症状は、脱毛した全ての人に当てはまるものではありません。
でも、脱毛を行った人の中で、体臭がキツくなったと悩む人が少数いるようです。
これは、脱毛によって毛穴が刺激を受けてしまったことが原因と考えられています。
光脱毛やレーザー脱毛の光線が毛穴を刺激すると、発汗を促すスイッチが入ることがあります。
発汗刺激が起きてしまうと、脱毛前よりも汗をかきやすい体質になってしまうようです。
結果的に、汗の分泌はニオイの元に繋がってしまうので、体臭がキツくなったと感じるのです。
特に全身脱毛は、全身の毛穴を刺激していくので、発汗刺激も比較的に起こりやすいと言えるでしょう。
ただ発汗刺激によって体臭が増したとしても、しっかり体臭ケアを行えば、気になることもなくなっていきます。
体を清潔に保っておくこと、デオドラントケアをしていくことをお勧めします。
アフターケアで体臭予防
脱毛前後に、サロンやクリニック側が入念に勧めてくる「スキンケア」。
実は、このスキンケアを脱毛前後に怠ってしまうと、体臭がキツくなってしまうことがあるのです。
先述した通り、体の不快なニオイは、汗や皮脂・垢などが皮膚常在菌によって分解されて発生したガスのことを指します。
特に脇の下やデリケートゾーンに多い「アポクリン腺」という汗腺からは、脂質やタンパク質、コレステロール類が含まれている汗が分泌されます。
この脇やデリケートゾーンの脱毛を行った後、スキンケアを怠ってしまうと、乾燥肌が進行しやすくなります。
乾燥肌によって肌が荒れると、潤いを保とうと皮膚が大量の皮脂を分泌するようになってしまうのです。
この大量の皮脂とアポクリン腺から出る汗が、「ワキガ」と呼ばれるような強烈なニオイを作ってしまいます。
ワキガなどの臭いを抑える為にも、脱毛前後のスキンケアはしっかり行ってあげましょう。
そうすることで、脱毛による体臭の悪化を予防することができます。
あまりにもニオイが気になる場合は、病院で医師に診てもらうこともお勧めします。